塾の掛け持ちは厳禁ですっ!

  • 2023.04.24

塾の掛け持ちは学力停滞を引き起こす最大級の原因であり、絶対にやってはいけないことです。

学習サイクルのページを先に読んでいただくと理解が早いと思います。

掛け持ちとはどんな状態をいう?

本来ひとつであるべき学習サイクルが、複数の塾利用によってパラレル化(並列化)することです。

1つの学習サイクルを1冊の問題集として考えるとイメージしやすいです。

複数塾の掛け持ちによって学習サイクルがパラレル化した状態

塾A:算数

学習サイクル

塾B:算数

学習サイクル

なるほど。確かに非効率ですね。

掛け持ちではない状態

塾A:算数

学習サイクル

塾B:国語

学習サイクル

これは元々問題集は別ですね。

掛け持ちを肯定する意見は学習をサイクルとして考えていない

掛け持ちのメリットとして「ひとつの塾で足りない部分を補える」という考え方が挙げられますが…

だったらその塾の問題集は完璧に解けるのか?

「補える」の以前にしっかり復習すれば他の塾に通っている時間なんてないはずです。

〔併塾〕同一サイクル上にある複数塾の利用

同じ問題集を使う複数塾利用は併塾と呼びます。これは(このページで書いている)掛け持ちではありません。

併塾のサンプル
行程 学習場所 使用問題集
STEP1 学校 問題集A
STEP2 塾A 問題集A
STEP3 (学校) 問題集Aに基づくテスト
STEP4 塾B 問題集A

同じ問題集ならサイクルはひとつですね。

出版社は異なっても「同一単元・同一難度」であれば問題ないです。

学校の授業と歩調を合わせる塾で使う問題集はだいたい同じなので、サイクルが分断しにくいです。

STEP1が「塾」だと併塾の選択肢は限られる

STEP1が塾の場合の併塾サンプル
行程 学習場所 使用問題集
STEP1 塾A 問題集A
STEP2 塾B 問題集A
STEP3 塾A 問題集Aに基づくテスト
STEP4 塾C 問題集A

他塾の問題集って持ち込みできるの?

同一サイクル上の学習ができる塾の選択肢

  • 集団指導の受験塾と同じ経営母体や業務提携している個別指導塾(基本かつ推奨)
  • 教材持ち込みができる個別指導塾や家庭教師
  • オンライン家庭教師

実際に探してみるとわかるけど、対応してる塾は非常に少ないです。

個別指導塾ならなんでもいいわけではないのですね。

この話は次のセクションに続きます。

中学受験は否応なくサイクルが分断する

中学受験の学習は、学校より深い深度を学校より短い授業回数で、6年生の前期まで(※)に完了させる必要があります。このため学習計画は「小学校全範囲の体系」で組み立てられるため、学校サイクルとの並行は困難(不可能)です。

※6年生後期は過去問を使った実戦演習をするため、知識学習は夏休みまでに終わらせる必要があります。

よって6年後期の教科書範囲は先取りで消化する必要があります。

よって勉強の基軸は「学校外」におく必要があります。

学校:算数(使えない)

学習サイクル

塾:算数(基軸)

学習サイクル

大学受験でも「受験対策」に移行したら学校の勉強は最低限に留めるのが基本です。

中学受験は掛け持ち状態になりやすい

学校が使えないので塾を基軸に勉強を進めますが・・・

  • 集団指導塾の場合、STEP4は基本的には行わない。また、STEP3が機能しているかは塾による。
  • 個別指導塾の場合、STEP1を行う塾と行わない塾がある。STEP1を行わない塾はSTEP3も行わない。
  • STEP2は基本的に指導時間中には行わない。自習室の有無は塾により、有効性は人による。
  • 自学自習の場合、STEP1とSTEP3はセルフマネジメントになる。小学生にそれは無理なので親力が全て。

彼方立てれば此方が立たない!

まとめ

ドラゴン桜2(講談社)

改変履歴

  • 【2023.04.23】雑多な表現を修正・削除。
  • 【2023.02.18】刷新にあわせて雑多な内容を整理。
  • 【2022.06.30】新装版に変更。会話型コメントを追加。学校補習系のセクションと冗長な段落を削除。
  • 【2022.04.22】「問題集A/B」の比喩記述の追加と文脈修正。
  • 【2022.01.16】簡素化。
  • 【2020.06.16】初版