学習塾の種類
- 2025.12.06
種類のまとめとショートカット
| 集団指導 | 学校型(双方向型) | |
|---|---|---|
| 予備校型(一方通行型) | 通塾型 | |
| ライブ配信 | ||
| 映像教材 | ||
| 個別指導 | 教材持込型 | 通塾型 |
| オンライン型 | ||
| 予習型(反転授業型) | ||
| ステップアップ型 | ||
| 自習サポート型 | 通塾型 | |
| オンライン型 |
集団指導の塾
集団指導の塾とは、複数の生徒に一律に知識投下型の学習指導を行う塾のことです。
集団指導塾の使途を一言でいうと・・・
インプットの時短
受験対策用と考えてよい
通常一般的に未知未習知識のインプットは「学校の授業」で行います。ゆえに学校と同等もしくは学校以下の授業をする塾に通う必要はないです。
よって集団指導塾を検討する状況とは…
- 在学校の授業(定期テスト)より難度が高い入試問題を出題する学校を受験するとき
- 授業で知識学習をしていない、あるいは学校の授業に参加していないとき(不登校や浪人やアクティブラーニング中心の学校に通っている)
Bは特殊事例です
「学校の授業よりわかりやすい」は選ぶ理由にならない
インプットの段階は完璧にわかる必要はなく、練習問題を教科書の例題をチラ見しながら解ける程度ができれば問題ありません。 練習問題を解くうちにわかってくることも多々ありますし、親切丁寧すぎる授業は「わかった気」になって練習の必要性を感じにくくなることもあります。
次のセクションでは、集団指導塾の細分類を紹介します。
学校スタイル(双方向型)
学校の授業と同じように講師が生徒に質問をしたり、練習問題を解く時間が与えられるもので、要するに学校と同じです。
(多くの場合)学校に比べて親切丁寧で説明もわかりやすいですが、 次に挙げる「予備校スタイル」に比べて時間あたりの学習密度が低いため、学習の欲求段階が上がったり高難度な学習を求めるほど不満や不足を感じやすくなります。
学校スタイルが適する学習目的
- 教育実験校や教育困難校に通う小中学生の知識学習
- 中学受験塾(小学校高学年)の中堅下位校志望
予備校スタイル(一方通行型)
講師が一方的に解説をするもので、授業中に質問できなかったり練習問題を解く時間が与えられないのが特徴です。 前述の学校スタイルに比べて不親切と言えます。
しかし学校スタイルに比べて時間当たりの知識投下量が多いため、高難度な学習を求めるほど、すなわち集団指導塾本来の利用目的であるほどメリットが大きくなります。
予備校スタイルが適する学習目的
- 受験対策(中高大共通)
ライブ配信授業
予備校スタイルの授業をインターネット回線を使ってオンライン配信するものです。
次に挙げる動画教材に比べて短い準備期間で実施できるので、教科書改訂や時事を反映した授業、あるいは入試予想問題などのタイムリーなテーマを扱えるのが強みです。
他、配信から数日間は録画されたものを視聴できることが多いことも特徴です。
動画教材(映像教材)
録画された授業映像をネット配信するサービスです。塾ではなく「教材」ですが、性質的には予備校スタイルと同じです。
あまり知られていない重要な特徴として、動画教材の授業は「台本」を基につくられているので、対面やライブの授業に比べて洗練されています。 (わかりやすく無駄がない)
この分野で著名なのが「スタディサプリ」です。
個別指導の塾
個別指導の塾とは、生徒個々に異なる学習方針で学習指導を進める塾のことです。言葉のイメージで間違えやすいですが、必ずしも完全マンツーマン対応をする塾とは限りません。
集団指導塾の使途を一言でいうと・・・
勉強のお手伝い
細分化すると「個別指導塾」という言葉で括るのは不適切
一般に「個別指導塾」と呼ばれるものには複数の指導スタイルがありますが、それぞれは原価構造を含めてまったく別種の塾といえるほどの違いがあります。
次のセクションでは、個別指導塾の細分類を紹介します。
教材持込型
- 任意の学習教材が持ち込める
- 塾独自の学習計画を持たない(その場限り・都度完結)
学校や集団指導や自習教材の学習で生じた質問を持ち込む塾です。
文字で説明すると「場当たり対応」ですが、他の知識学習の補助的な利用においては他スタイルの塾に比べて格段に使い勝手が良いです。
個別指導塾という言葉で真っ先に思い浮かぶスタイルですが、原価管理やサービス平準化の理由で「店舗型」で行う塾は少なく、主には家庭教師やオンラインサービスで提供されます。
オンライン質疑応答サービス
スマホやタブレットを介して質疑応答に対応してもらえるサービスです。令和から広まり始めました。
予習型(反転授業型)
- 予習を前提とした学習指導を行う
- 塾独自の学習計画で進める
予備校スタイルで行う授業を講義型教材を用いた予習に置き換えることで、指導時間を問題解決に特化するスタイルです。
塾独自の学習計画で進めるため、学校の定期テスト対策や他塾の補習目的には不向きです。
当塾の標準的なコースはこのスタイルです
ステップアップ型
- 自習を前提とした学習指導を行う
- 学習目標は「昇級」であり、進行ペースは生徒が決める(学習計画は立てない)
習得段階(等級)に準じた学習をするタイプ。学習教材は等級に合わせたものを塾が用意する。 珠算塾や書道教室と同じ指導スタイルで、進行ペースは生徒の理解度と意欲に完全一致(マイペース学習)。
学校の授業進行や入学試験の日程は考慮しないので、学校補習や受験対策には向かない。
「くもん(公文式)」が著名。
自習サポート型
- 学習内容は生徒の目標によって決める
- 学習計画つくるかどうかは生徒が希望する学習目的による
個別指導塾と呼ばれる塾の中で最も(圧倒的に)多いスタイルで、文字どおりの「お手伝い」をする塾です。
- 快適な学習場所や学習教材の提供
- 学習計画の作成(学校補習以外の場合)
- 学習の監視や計画の進捗管理
- 添削や解説書程度の質疑応答
留意点として、自習サポ型の解説指導(D)は他の個別指導の型に比べて劣ることは否めません。 また、、「塾に行けば勉強する子」に対しては都度に行うことがないので実質的に半放置状態になります。
この2点はネットの批判的レビューでも散見しますが、これらは原価構造やサービス平準化のための制約によるものなので、自習サポ型ならどの塾でも似たようなことは発生しています。
この点だけを見ると意味がないように思うかもですが、塾に行けば勉強するが、塾に行かないと勉強しない子に対しては、 過干渉を抑制しながら(他種の塾に比べて)低料金で一定の学力を担保できるともいえます。
オンライン自習室
「勉強の監視」に特化したサービスです。自室にウェブカメラを設置して、その映像を他の生徒とリアルタイムで共有することで「他の子が勉強してるから私も頑張ろう」という気にさせるものです。
チケット制で質疑応答サービス(教材持込型)を行うものもあます。
改変履歴
- 【2025.12.06】個別指導塾の分類を3区分から4区分に変更
- 【2025.11.21】初版