ABCDEの数字の積は〇〇のとき、5桁の整数は?
- 2021.09.13
〔A〕〔B〕〔C〕〔D〕〔E〕の5桁の整数があります。
ABCDEのすべての数をかけると1620になります。また、ABDEは奇数で、EはAの3倍です。この5桁の整数として考えられるもっとも大きい整数は?
数の性質を利用した定番の数当てゲームです。
「考えるのがめんどくさそう、だから後回し。そして放棄」・・・という感じになりやすいヤル気スポイラーな問題です。
偏差値55-60(難しい)
- 偶数と奇数(小学5年生)
- 約数と倍数(小学5年生)
- 素因数分解(中学3→1年)
数字の積は…という問題はだいたい素因数分解解
偶数奇数の性質と素因数分解をつかって推理(条件合わせ)をします。
素因数分解する
1620 → 2×2×3×3×3×3×5
条件にしたがって5つに分ける
×2 | ×2 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 | ×5 |
5つに分ける…というと?になるかもですが、仮に「7つに分ける」なら・・・
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|
×2 | ×2 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 | ×5 |
2233335 |
上記が答えのひとつになります。
「5つに分ける」ということはつまり、7つの数字のいくつかは「そのまま」あてはめ、いくつかの数字は「かけ算でまとめて」あてはめるわけです。
ここまでの状態
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
×2 | ×2 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 | ×5 |
偶数・奇数の性質を考える
ABDEは奇数
つまり・・・
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
奇数 | 奇数 | 奇数 | 奇数 |
こういう状態にします。
7つの数について奇数になるものを考えると・・・
×2 | ×2 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 | ×5 |
2つある〔×2〕は、直接でも他の数字と組み合わせても奇数にはなりません。
逆に言えば、奇数になるものは、「奇数」か「奇数×奇数」のいずれかです。
偶数と奇数の組みあわせ
奇数 × 奇数 | 奇数 |
---|---|
偶数 × 奇数 | 偶数 |
偶数 × 偶数 | 偶数 |
つまり2つの〔×2〕は、ABDEに入れることはできません。
よってCが確定します。
ここまでの状態
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
×2×2 |
×2 | ×2 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 | ×5 |
倍数を考える
ここまでの状態で、残っている枠(桁)は4つで、使っていない数字は5つです。
となれば、残り4枠のうち・・・
- 3枠は残っている数字をそのままあてはめる
- 1枠は「2つの数字をかけ算」してあてはめる
そこで他の条件について考えてみます。
EはAの3倍
残っている数字は〔×3〕か〔×5〕ですが、次の理由で「ひとつの数字だけで何かの3倍」はつくれません。
- Eが3だとしたら、Aは「1」になる。しかし残っている数字に「×1」は無い
- Eが5だとしたら、Aは「1.66...」になる。もちろん無い
よって〔E〕は「2つの数字をかけ算」する桁であることがわかります。
考えられる組み合わせは〔3×3〕と〔3×5〕なので、それぞれ検証します。
E=3×5 の場合
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
×3 | ×3 | ×2×2 | ×3 | ×3×5 |
3 | 3 | 4 | 3 | 15 |
〔×5〕をEで使った場合、Aの3倍ではなく5倍になってしまいます。また「334315」は6桁なので問題の条件から外れてしまいます。
E=3×3 の場合
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
×3 | 3か5 | ×2×2 | 3か5 | ×3×3 |
3 | 4 | 9 |
こちらが正解のようです。
ここまでの状態
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
×3 | 3か5 | ×2×2 | 3か5 | ×3×3 |
3 | 4 | 9 |
×2 | ×2 | ×3 | ×3 | ×3 | ×3 | ×5 |
問われていることを答える
BかDは、それぞれ3か5が入ります。
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
3 | 3 | 4 | 5 | 9 |
33459 |
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
3 | 5 | 4 | 3 | 9 |
35439 |
〔33439〕か〔35439〕のいずれかですが、「もっとも大きい整数」を答える問題なので・・・
【答え】35439
シンプルな解説
- 1620を素因数分解する → 2×2×3×3×3×3×5
- ↑この7つの数字を5桁の数に割り振る。
- 「ABDEの積は奇数」という条件について、偶数奇数の性質によって「×2」をあてはめられるのは「C」だけ。よって「C=2×2=4」
- 「EはAの3倍」について、3もしくは5の3倍となる数字は無いので、Eは「?×3」か「?×5」の数になる。条件を満たせるのは「E=3×3=9」
- Eが確定するので「A=3」も確定。
- 残っているのは「×3」と「×5」。これをBとDに割り当てると、5桁の数字は〔33439〕か〔35439〕になる。
- 設問は「大きいほう」を答えるので、〔35439〕が答え。
余談:例題で用いている「1620」の出典
数字のみ異なる類問は多数ありますが、この例題で用いている「1620」は智辯学園和歌山中学校の過去問が出典です。
令和3年の甲子園優勝校であり、同一学校法人の決勝戦で話題になりました。
サブコンテンツ全体の刷新作業を行っています。
2022年11月23日から2023年3月末頃(予定)