点Pが移動する静岡雙葉中学過去問解説

  • 2021.10.26

問題文略

2020年大問4

「点P動くなっ」と思ってしまう定番問題です。

ふつう

  • 速さのグラフ(小学6年)
  • 面積(小学5年)
  • 等積変形

点Pが動く問題はグラフに図形の頂点の位置を書き込む

小問1(速さの読み取り)

点Pの動く速さは、毎秒何㎝ですか。

速さ・距離・時間をグラフから読み取る

速さは「速さ・距離・時間」の3要素の関係が成り立つので、いずれか2つがわかれば残り1つも求められます。

与えられている図とグラフから「距離」と「時間」が読み取れる箇所がありますので、それを元にすれば「速さ」が求められます。

5㎝の移動で5秒かかっているので・・・

5㎝÷5秒=1㎝/秒(秒速1㎝)

学校や塾では「みはじ公式」で覚えることが多いですが、慣れるまでは4マス関係表がよいです。

  • 〔 5㎝で5秒〕→〔1㎝で1秒〕 これは移動時間を求めている。
  • 〔5秒で5㎝〕→〔1秒で1㎝〕これが速さ。答えるのはこちら。

いずれも計算は「5÷5=1」なので混同してもマルは貰えるようになっていますが、本来Aは誤答です。

小問2と3(等積変形)

アイに入る数を書きなさい

図形の形状変化を把握する

BC7センチを底辺にもつ三角形の面積について考えます。

点Pがスタート地点のBにいるときは、高さが無いので面積は「0」です。

以降、点Pが動き始めると図形は次のように変化します。

点Pが動き始めると高さが出てくるので面積も少しずつ大きくなる。

点Pが点Aに到達したときに「高さ」は最大になるので面積は最大になる。

点Aから点Dに移動するときは、三角形の形は変わるものの「高さ」の変化はないので面積も変化しない。

点Dから点Cに移動するときは、「高さ」が少しずつ減っていくので面積も小さくなる。

可視化すると次のようになります。

頭の中で描けなければ、答案用紙の裏に書き出して目で確認です。

グラフの横軸(x軸)は「経過時間」

小問1で、点Pは秒速1センチ、つまり1秒で1センチ移動することがわかっています。

頂点B→Aは図形に5センチと書かれているので、かかる時間は5秒です。それはグラフに書かれています。

同じように、頂点AからDの距離(長さ)は3センチですから、移動にかかる時間は3秒。頂点DからCも3センチですから3秒です。

【ア】 5センチ+3センチ=8

【イ】 8+3センチ=11

小問3(等積変形)

ウに入る数を求めなさい

小問2の続きです。

小問2の状態変化の把握ができていないと解けません。

グラフの縦軸(y軸)は…

よくある速さの問題では距離(長さ)を指しますが、この問題では面積を示します。(グラフにもそう書いてあります)

点Pが各点に到達したときの面積を表に書き出します。

  底辺 高さ 面積
BC-B 7 0 0
BC-A 7 3 10.5
BC-D 7 3 10.5
BC-C 7 0 0

この図の場合、面積は「10.5」が最大値ですから、ウにあてはまる数は「10.5」です。

この問題では答案に計算欄がもうけられているので、計算や考え方を書いておく必要があります。

面積がもっとも大きくなるのは点PがAにあるときの三角形ABCなので、

底辺7㎝×高さ3㎝÷2=10.5c㎡

よってウに入る数は「10.5」

※「点Dで△BCD」でも可

小問4

三角形PBCの面積が7c㎡になるのは、2回あります。2回目に7c㎡になるのは、点Pが頂点Bを出発してから何秒後ですか。

小問2/3のとおり三角形PBCの面積は、最初は「0」から始まって少しずつ増えていき、最大で「10.5」になります。その後、少しずつ小さくなって最後は「0」になります。

この途中で面積が7c㎡になるのは三角形PBCは次のような形状をしているときです。

小問3の表に面積が7c㎡になったときのマスを追加する

  底辺 高さ 面積
BC-B 7 0 0
BC-P1 7   7
BC-A 7 3 10.5
BC-D 7 3 10.5
BC-P2 7   7
BC-C 7 0 0

面積が7c㎡になるときの高さを求める

「面積=底辺×高さ」の公式を使って高さを求め、それが図形上のどの位置になるか確認します。

面積=底辺×高さ÷2

7c㎡=7㎝×〇÷2

〇=2㎝

面積が7c㎡になるとき、点Pは「高さ2㎝」の位置にいることがわかります。

  底辺 高さ 面積
BC-B 7 0 0
BC-P1 7 2 7
BC-A 7 3 10.5
BC-D 7 3 10.5
BC-P2 7 2 7
BC-C 7 0 0

2回目に高さが2㎝になるときの点Pは線DC上にいます。

高さ2㎝ということは、頂点Dから見てCへ1㎝移動した場所です。

B→A=5秒、A→D=3秒、D→P=1秒

5+3+1=9秒

「1回目」を求めるとき

グラフの形状を図形に見立てて、相似比で解きます。

10/3 秒後

「2回目」はグラフから直接読み取ればいいですが、「1回目」はもう一段踏み込んだ学習が必要です。

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2022年11月23日から2023年3月末頃(予定)