2016年大問6:分母と分子の規則性静岡雙葉中学過去問解説

  • 2021.11.14

分数がある規則によって、左から54個並んでいます。

〔1/54〕〔2/53〕〔3/52〕〔4/51〕・・・〔51/4〕〔52/3〕〔53/2〕〔54/1〕

2016年大問6

いわゆる「力技」でも解けますが、工夫や数論を使わないと解答時間を大量消費してしまいます。時間制限がある入試本番ではこれがスコアに大きく影響します。

難しい

比較的多め

  • 規則の基本(小学4年生)

小問1

左から9番目の分数を答えなさい。

考えなくてもいいので書き出します。

分子 1 2 3 4 5 6 7 8 9
分母 54 53 52 51 50 49 48 47 46

9/46

状況整理と小問2

54個の分数の中で、分数の値が、1より大きくて1に最も近い分数は〔28/27〕となります。これは分数の分母の数を合計した55を2で割って、27を求め、分母としました。また、分数の値が、2より大きくて2に最も近い分数は、55を3で割って18を求め、〔37/18〕となります。

読むのが辛いです・・・

読みながら解いてはダメです。

分子 1 2 3 53 54
分母 54 53 52 2 1
分子+分母 55 55 55 55 55 55

「分数の分母の数を合計した55を2で割って~」と説明されるまでもなく、表に書き出せば分子+分母=55になっていることは一目瞭然です。

以降は「分子+分母=55」だけで考えます。

小問2-1

分数の値が、3より大きく、3に最も近い分数を求めなさい。

要するに、約分して3....になる分数を探せ、という問題です。

力技で近い数字を探すのものありですが、「約分して1と2になる数と計算方法」は問題文の中に書いてあります。

1より大きくて1に最も近い分数は、55を2で割って27を求め、それを分母にして〔28/27〕

2より大きくて2に最も近い分数は、55を3で割って18を求め、それを分母にして〔37/18〕

分子の28や37は「分母+分子=55」になる数字。すなわち「55 - 分母 = 分子」です。

問題文にそう書いてあるので、「3より大きくて3に最も近い分数」も同じやり方で求めてみます。

3より大きくて3に最も近い分数は、55を4で割って・・・

55÷4=13 小数点以下切り捨て

55-13=42

答え:42/13

算数というより読解ですね。

【別解】比を使う

約分して1になる分数を比であらわすと「1:1」になります。

同様に、約分して2になる分数は「2:1」、約分して3になる分数は「3:1」です。

つまり、約分して3に近い分数は・・・

  • 【分子】55×〔3/4〕=41.25
  • 【分母】55×〔1/4〕=13.75

これで「3ピッタリ」ですが、小数点以下の端数を分母か分子のどちらかに振り分ける必要があります。

設問の条件は「3より大きい」なので、端数は分子に振り分けます。(分母に振り分けると「3より小さい」になります)

  • 【分子】55×〔3/4〕=42 小数点以下切り上げ
  • 【分母】55×〔1/4〕=13 小数点以下切り捨て

小問2-2

分数の値が〔1/2〕より大きく、3より小さい分数を求めなさい。

分数と整数が混在しているので、どちらかに統一して考えます。

  • 0.5より大きく3より小さい
  • 〔1/2〕より大きく〔6/2〕より小さい

まずは力技を試してみます。

分子 1 2 3 4 5 6 7 8 9
分母 54 53 52 51 50 49 48 47 46
分子+分母 55 55 55 55 55 55 55 55 55
小数変換 54.00 26.50 17.30 12.75 10.00 8.16 6.85 5.87 5.11

スプレッドシートアプリを使うと簡単ですが、手作業でこれを計算するのはかなり面倒です。

そこで小問2-1の別解の考え方を使ってみます。

1/2に近い分数

〔分子:分母〕=〔1:2〕になればいいので・・・

  • 【分子】55×〔1/3〕=18.3 →19
  • 【分母】55×〔2/3〕=36.6 →36

設問の条件は「1/2より大きい」なので、小数点以下は分子に振り分けます。

3に近い分数

〔分子:分母〕=〔3:1〕になればいいので・・・

  • 【分子】55×〔3/4〕=41.25 →41
  • 【分母】55×〔1/4〕=13.75.6 →14

設問の条件は「3より小さい」なので小数点以下は分母に振り分けます。

全部でいくつか?

ここまでで「範囲」が出ましたが、設問は範囲内の数を問われています。

分子 19 41
分母 36 14
分子+分母 55 55 55 55 55 55 55 55 55

23個

  • 【分子で数える場合】41-19+1=23
  • 【分母で数える場合】36-14+1=23

「+1」を忘れないように

1 2 3 4 5

1から5の範囲にある数は、最後-最初+1= 5-1+1=5です。

小問2-3

分数の値が整数になるものを、並んでいる分数の形で全て書きなさい。

54通りの分数を全て書き出して、約分できる数字を手あたり次第に探すことで答えは出せます。

まずその方法で試して何分かかるか体験しておき、他の問題の消費時間をみて力技を使うか考えて解くかを判断するといいです。

分子 1 2 3 4 5 6 7 8 9
分母 54 53 52 51 50 49 48 47 46
約分

探しているのは「整数」なので、〔1/54〕から〔28/27〕までは探さなくてよいです。

分子20-29
分子 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
分母 35 34 33 32 31 30 29 28 27 26
約分
分子30-39
分子 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39
分母 25 24 23 22 21 20 19 18 17 16
約分 1.5 1.5 1.75
分子40-49
分子 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49
分母 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6
約分 4 4.5
分子50-54
分子 50 51 52 53 54
分母 5 4 3 2 1
約分 5 54

〔44/11〕〔50/5〕〔54/1〕

【推奨解法】計算で求める

分母が「1」の組み合わせ(54/1)から数えて、「次」に整数になる数を探します。

分子 54 53 52 51 50
分母 1 2 3 4 5
約分 54 5

整数として考えられる数の最大値は「5」

※54/1 =54を除く

約分して「1~4」になる組み合わせを探します。

比で考えると・・・

  • 〔1:1〕
  • 〔2:1〕
  • 〔3:1〕
  • 〔4:1〕

分子+分母の「55」をそれぞれの比で割り、整数で割り切れれば「ある」、割り切れなければ「無い」ことがわかります。

  • 〔1:1〕→ 55÷2=27.5 ×
  • 〔2:1〕→ 55÷3=18.33 ×
  • 〔3:1〕→ 55÷4=13.75 ×
  • 〔4:1〕→ 55÷5=11 〇

〔4:1〕の組み合わせは割り切れるので、11倍すると〔44:11〕、分数であらわせば〔44/11〕です。

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2022年11月23日から2023年3月末頃(予定)