寄り道をする往復の移動距離

家族旅行で山にドライブに行くことになりました。

家から60キロ走ったところで燃料が足りないことに気づきましたが、この先にはガソリンスタンドが無いと考えて、来た道を引き返してガソリンスタンドを見つけて給油し、その後、80キロ走って目的地に到着しました。帰りは寄り道をせず同じ道で家に帰りました。

往復で何キロ走りましたか?

2021.05.16

学力調査や公立一貫校の入試で見かける受験算数とは少し違うスタイルの文章問題です。

気づきや応用力の問題なので、わざと遠回しに解説しています。

  • とくに無し(教科書は小学3~4年生程度)
  • 図形の重ね合わせ

必要な情報を抜き出して整理

文章題を解くときのお約束は・・・

  • 不要な情報を省いて解答に必要な情報だけを抜き出す
  • 抜き出した情報を図や表にまとめる
  • まとめた図表をもとに計算式を組み立てる
  • その計算式で解く

必要な情報リスト

家族旅行で山にドライブに行くことになりました。

家から60キロ走ったところで燃料が足りないことに気づきましたが、この先にはガソリンスタンドが無いと考えて、来た道を引き返してガソリンスタンドを見つけて給油し、その後、80キロ走って目的地に到着しました。

帰りは寄り道をせず同じ道で家に帰りました。

往復で何キロ走りましたか?

線分図

設問文の図式化は、線分図や面積図、グラフ、表、4マス関係表などがありますが、どれを使うのかを瞬時に判断することも算数力です。(むしろそれがいちばん重要)

この設問は線分図がよさそうです。

家とか山とかめんどうですから、「家:A」「山:B」と記号で書きます。

A
引き返し P
ガソリン Q
B

学校の定期テストならこの段階でだいたい解けますが、この問題はそうはいかないかもしれません。。

折り返してからガソリンまでの距離(PQ)が無いと解けないのでは? ガソリン入れてる最中に家から山の距離が変わるわけでもあるまいし・・・

ふたつの図形の重なりについて考えてみる

次のような図形の重ね合わせの問題で考えてみます。

重なった部分について説明する

上の図のようにふたつの図形を重ねたとき、重なっていない部分と重なっている部分の大きさの関係は次のようになります。

重なり状態の線分図

重なっていない部分をAとB、重なっている部分をXとしたとき、〔A+B+X〕の答えは常に等しくなります。

この考えを設問にあてはめると・・

家から折り返しまで AQ+QP=60キロ
ガソリンから山まで QP+PB=80キロ

これを線分図に含めて書くとこうなります。

線分図

距離を示している部分に色をつけてみました。最初の図と同じですが、色付けするとずいぶん印象が違うかもしれません。

最初の段階でこういう図を書きだした人も少なくないと思いますし、ここまで読めば多くの人が答えを出せていると思いますが、重ね合わせであることを確認してから答えを出すことにします。

ガソリンから折り返し地点の距離を考える

「QP=30キロ」だった場合

AQ + 30キロ=60キロ AQは30キロ

30キロ + PB=80キロ PBは50キロ

QPは2回走るので走った距離は2倍の60キロ

往路の走行距離
AQ QP PB AQ+QP+PB
30 30 30 50 140
60 80

QPは折り返しとガソリン入れた後の2回(PQとQP)走っているので、2倍にするのを忘れてはいけません。

QP30キロは仮の話ですから他の数字もあてはめてみます。

「QP=20キロ」だった場合

AQ + 20キロ=60キロ AQは40キロ

20キロ + PB=80キロ PBは60キロ

QPは20+20=40キロ

往路の走行距離
AQ QP PB AQ+QP+PB
40 20 20 60 140
60 80

「走った距離」は同じですね。

最後に、ガソリンスタンドを通り過ぎた直後に引き返していた可能性を考えてみましょう。

「QP=0キロ」だった場合

AQ + 0キロ=60キロ AQは60キロ

0キロ + PB=80キロ PBは80キロ

往路の走行距離
AQ QP PB AQ+PB
60 0 0 80 140
60 80

やはり「走った距離」は同じです。

復路(帰路)の距離は往路と同じ

「同じ道で家に帰りました」ということなので、ガソリンスタンドの位置は気にせず往路と同じ距離を走ったと考えます。

往路の走行距離は140キロですから、往復はその2倍で240キロ。

家から山までの実際の距離を考えてはいけない

この問題で求めるのは「家から山までの距離(AB)」ではなく「実際に走った距離」です。(問題文のいちばん最後にそう書いてあります)

家から山までの実際の距離は次のようになります。

AB間の距離
  AQ QP PB ABの距離
PQ30キロ 30 30 50 110
PQ20キロ 40 20 60 120
PQ10キロ 50 10 70 130
PQ 0キロ 60 0 80 140

考え方のまとめ

家から山(往路)

往路の線分図

山から家(復路)

復路の線分図